イマジナリーコンパニオン(空想上の友だち)


「イマジナリー・コンパニオン」または「イマジナリー・フレンド」という言葉を聞いたことがあるかたがおられますでしょうか?「想像上の友だち」または「空想上の友だち」と訳されています。
この現象は、欧米諸国の子どもによく見られる「症状」?と言われていますが、虐待やいじめの後遺症を持つ方の中には、青年期以降もこれに助けられている方がおられます。

文学作品にも、トラウマ的な環境を生き延びる戦略の一つとして、この現象を用いる描写が見られます。最も有名なのが、ナチス治世下でゲシュタポやナチス親衛隊から逃げ隠れして生活していた、アンネ・フランクの日記の中には「キティ様」に宛てた記述があり、アンネ・フランクがトラウマ的で過酷な環境で生き延びていくうえで想像上の友だち「キティ」に助けられていたことが分かります。

わが国においては、辻仁成の処女作で自伝的な小説「ピアニシモ」の中で、親の仕事の都合による転校をくり返したことで友だちができなくていじめに遭い、家庭にも学校にも居場所がないトオルは、空想の世界の友だち「ヒカル」の自由奔放さに助けられて生活しています。

トラウマ的な事態を生き抜いていくのに、架空でもいいので絶対的に信頼できる存在を未近に感じて生活することは、理にかなった戦略です。空想の世界で絶対的に信頼できる存在と空想世界でアクセスしている間の時間は、リアルな世界で起こっている恐怖や不安を呼び起こす事象との接触を一旦切っておけるのです。
もしお子さんの話の中に空想上のお友達が出てきたとしたら、それはお子さんなりに過酷な事態に対処するための戦略でされていることと理解してあげてください。決して病気ではありません。

そうしたさまざまな工夫や努力でも対処できないくらいのトラウマ的な問題を抱えられたときには、EMDR(眼球運動を用いた脱感作と再処理法)という戦略があることを憶えておいてください。

http://www.risorsa-emdr.com

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